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万年筆の仕組み ~インクをスムーズに送り出す内部の秘密~

万年筆は約200年前にこの世に登場しました。その後、試行錯誤が繰り返され、約130年前に毛細管現象を活用した基本構造が確立され、進化しながら現在に至っています。

 

万年筆のペン先の構造

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「インクを引き出す」仕組みと「空気を引き込む」仕組みが万年筆のペン芯の主な機能だ。図の内部構造は一般的な例で、各社によって細かい構造はかなり違っています。

万年筆のペン先は、紙面に触れた瞬間に流れるようにインクが出てきます。この仕組みは、毛細管現象と気液交換作用を利用した内部の構造にあります。胴軸の内部に蓄えたインクを毛細管現象を使ってペン先へと導き、ペン先と紙が接触すると紙の繊維にインクが引かれることで文字が書けます。インクをスムーズに紙面に導くには、出たインクと同じ量の空気を胴軸の内部に入れる必要があります。このためペン芯にはインクが通るインク溝と空気を取り入れる空気溝があります。

 

毛細管現象

 

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液体中に細い管(毛細管)を立てると、管内の液面が管外の液面より上がる(または下がる)現象。万年筆は液体が、管や繊維などの空間へ重力に関係なくより細い方へ移行する現象を利用しています。

 

気液交換作用

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スムーズにインクを出すには、出たインクと同じ容量の空気を交換する必要があります。各社はペン芯に巧妙に空気溝を設計することで、最上のインクフローを実現させています。